監査法人からの主な転職先と意識すべきポイントを解説

監査法人からの主な転職先と意識すべきポイントを解説

公認会計士の代表的な就職先として、監査法人が知られています。しかし、「ライフステージの変化にともなってワークライフバランスを重視するようになった」など、転職を検討している人も多いでしょう。

そこで本記事では、公認会計士が監査法人からの転職を考える理由や主な転職先、転職する際のポイントを解説します。個々人のご経験によっては当てはまらない部分もあるかもしれませんが、個別具体的なご経験や状況ごとにおける転職のお悩みに関しては「Bridge Agent」までお気軽にご相談ください。

公認会計士が監査法人からの転職を考える理由

転職サービスdodaの「【総合】転職理由の本音ランキング*」によれば、3位が「社内の雰囲気が悪い」、2位が「昇進・キャリアアップが望めない」、1位が「給与が低い・昇給が見込めない」です。

*調査概要
【対象者】20歳~59歳の男女
【雇用形態】正社員
【調査方法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)
【実施期間】2022年8月22日~8月30日
【有効回答数】789件
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
引用元:転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査! |転職ならdoda(デューダ)

上記はさまざまな職種を含んだ調査ですが、公認会計士の転職理由も他の職種と似通っています。公認会計士が監査法人からの転職を考える理由は、以下の3つです。

  • ワークライフバランスを重視したい
  • 新しいキャリアを模索したい
  • 厳しい人間関係から逃れたい

それぞれの理由を詳しく解説します。

ワークライフバランスを重視したい

監査法人からの転職を考える理由としてよく挙げられるのが、「ワークライフバランスを重視したい」というものです。とくに4月から5月にかけての期間は、監査が集中しやすく、残業時間も増えます。

Openworkによれば、BIG4の平均残業時間は以下の通りです(2024年3月時点)。

上記はあくまでも全体の月間平均残業時間ですので、繁忙期や所属する事業部やチーム、ポジションによっては、調査結果以上の残業をしている方もいらっしゃると思います。

激務に耐えかねて、転職を検討する人もいるようです。

新しいキャリアを模索したい

監査法人からの転職を考える理由として、「新しいキャリアを模索したい」という事情もあります。監査業務にやりがいを感じにくくなり、違うフィールドで自分の能力を生かしたいと考えるようになる人もいるようです。詳しくは後述しますが、一般企業やコンサルティングファーム、金融機関など公認会計士が活躍できる場所は多くあります。

また、積極的な理由ではなく、マネジャーやパートナークラスの昇格争いに破れ、新しいキャリアを考える人もいるようです。

厳しい人間関係から逃れたい

「厳しい人間関係から逃れたい」というのも、監査法人からの転職を考える理由です。監査法人はクライアントワークなので、「クライアントとの人間関係」「所内での人間関係(上司・同僚・部下との人間関係)」の2種類が考えられます。

たとえば、クライアントとのやりとりでは、失礼がないよう慎重に対応しなければならず、直接感謝されるような機会も多くありません。「プライベートの時間を削りながら働いているのに、人間関係で疲れてしまった」と、転職を考える人が多いようです。

監査法人からの主な転職先

監査法人からの主な転職先は、以下の5つです。

  • 事業会社(大手上場企業等)
  • 事業会社(IPO準備企業・スタートアップベンチャー)
  • 税理士法人・会計事務所
  • コンサルティングファーム
  • コンサルティングファーム(FAS)
  • 金融機関

それぞれの概要や、どのような人に向いているかを解説します。

事業会社(大手上場企業等)

監査法人からの転職先として人気なのが、事業会社(大手上場企業等)の経理部門です。監査業務のノウハウを生かしつつ、「ワークライフバランスを意識した働き方ができる」というメリットがあります。

経理部門の他にも、内部監査部門や経営企画部門などに転職するケースもあります。いずれにせよ監査法人に比べて、残業時間や福利厚生面で恵まれていることが多いため、ワークライフバランスを重視する人におすすめの選択肢です。

事業会社(IPO準備企業・スタートアップベンチャー)

事業会社(IPO準備企業・スタートアップベンチャー)も、監査法人からの転職先として近年人気です。「IPOを経験できる」「CFO(最高財務責任者)になって経営に携わる」など、大手上場企業にはない魅力があります。監査法人から転職する場合、公認会計士としてのノウハウ・経験を最も生かしやすい分野は「IPO準備」です。

ブリッジコンサルティンググループでは、IPO支援を始めとして多数のベンチャー企業にコンサルティングを行っていることから、IPO準備企業・スタートアップベンチャー関連の独自求人を多数保有しています。転職活動中の方はもちろん、「まずは情報が欲しい」という方でも、お気軽にBridge Agentにご相談ください。

税理士法人・会計事務所

税理士法人・会計事務所も、監査法人からの転職先としてよく知られています。税理士法人と会計事務所の違いは、FASなどの事業領域を扱うかどうかです。税理士法人の場合は、M&A関連の領域を扱わず、主に税務に従事します。

税理士法人や会計事務所の特徴は、監査法人に比べてクライアントの規模が小さく、中小企業や個人事業主を主な対象にしている点です。公認会計士として将来独立を考えている人におすすめの転職先です。

コンサルティングファーム

M&Aの領域に関わりたいと考えているのであれば、監査法人からコンサルティングファームへの転職も良い選択肢です。「クライアントの経営課題を解決するやりがいが得られる」「収入が高い」などのメリットがあります。

一方でコンサルティングファームは、基本的にクライアントファーストの精神で働くため、ワークライフバランスを意識するのは難しいでしょう。加えて、公認会計士としてのスキルを生かせる場面がやや限定的になる点にも注意が必要です。

コンサルティングファームFAS

監査法人からの転職先として、FASもおすすめです。FASは、ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(Financial Advisory Services)の略で、会計面でのコンサルティングに従事します。具体的には、財務デューデリジェンスやバリュエーション(企業価値評価)などです。 比較的高年収なのも大きなメリットで、パートナークラスになれば年収数千万円にもなります。財務分析能力や、事業のビジョンに関する想像力が高い人にとって良い選択肢です

金融機関

公認会計士が監査法人から金融機関に転職する場合、主に投資銀行が選ばれます。ゴールドマン・サックスなどを想像しがちですが、野村證券や大和証券、SMBC日興証券などの証券会社も広い意味では投資銀行です。

監査業務のノウハウを生かせる領域としては、M&Aアドバイザリーなどが候補になります。FASに比べてクライアント企業が大きい傾向にあり、資金調達も含めて総合的にサポートできるのが魅力です。

ただし激務になりやすいため、ワークライフバランスを考えている人にはあまり向いていません。

求人の紹介を受けたい方はもちろんですが、転職にあたって情報収集がしたい方、まずは相談がしたいという方もお気軽にBridge Agentにご相談いただければと思います。

以下の記事では、公認会計士の転職先選びのコツについてより細かく解説しています。転職やキャリアプランに悩んでいる公認会計士の方は参考にしていただければ幸いです。

監査法人から転職する際のポイント

監査法人から転職する際のポイントは、以下の3点です。

  • 転職後のキャリアを想定する
  • ベンチャー企業も選択肢に入れる
  • 転職エージェントを有効活用する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

転職後のキャリアを想定する

監査法人から転職する際は、まず転職後のキャリアを想定するのが重要です。たとえば、最終的にPEファンドで働きたいのであれば、「経験を積むことを考えて、FASや投資銀行を選択肢として検討する」などの考え方があります。 「監査法人での経験をどのように生かしたいのか」を軸にキャリアを想定するのもおすすめです。たとえば、専門性を深めてより高度なアドバイザリー業務を目指すのか、それとも経営管理や戦略立案の方向にキャリアをシフトさせるのかを考えます。

ベンチャー企業も選択肢に入れる

ベンチャー企業を選択肢に入れるのも、監査法人から転職する際の重要なポイントです。一般企業を考えている場合、ワークライフバランスや待遇面を考えて、大企業への転職が主な選択肢になるかもしれません。

しかし、ベンチャー企業は、CFOもしくはCFO候補で採用してもらえるチャンスがあり、IPOなど公認会計士としての知見を生かしやすいなどのメリットがあります。経営に関心があれば、ベンチャー企業も検討してみましょう。

転職エージェントを有効活用する

監査法人から転職する際は、転職エージェントを有効活用しましょう。転職エージェントを利用するメリットは、非公開求人を紹介してもらえる可能性があることです。他にも志望動機の添削やキャリア相談など、さまざまなサポートが受けられます。

転職エージェントを選ぶ際、公認会計士や税理士など士業に特化しているところを選ぶのがおすすめです。「Bridge Agent」には、専門性の高いコンサルタントが多数所属しており、士業・管理部門のハイクラス転職をサポートしています。

監査法人からの転職はBridge Agentにご相談ください

監査法人はビジネスモデルの性質上、激務を避けるのは難しく、クライアントとのやりとりなど人間関係でも負担が大きくなりがちです。監査法人から転職する場合、さまざまな選択肢があるため、まずは転職後のキャリアを思い描くところから始めましょう。

Bridge Agent」は、士業・管理部門のハイクラス転職に特化しています。監査法人からの転職に関して、広い視野でサポートさせていただくこともできますので、キャリアにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

ブリッジコンサルティンググループ株式会社
執行役員/ヒューマンリソースマネジメント事業部 事業部長 仁木 正太

新卒から15年間、九州屈指の地方銀行で法人向けに、融資新規開拓から深耕営業を中心に従事。その後、急成長ベンチャーにて大手、上場企業の事業部長、役員経験者を対象とした“エグゼクティブ人材”と企業オーナーとのマッチング支援サービスに従事し、海外現地法人社長、子会社社長、ベンチャー企業の取締役CxOなどへの移籍を約50名手掛ける。2020年、ブリッジコンサルティンググループで人材紹介サービス「Bridge Agent」を立ち上げる。パーソルキャリア運営ハイクラス転職サービス『iX転職』にて、2021年に最も活躍したヘッドハンターを表彰する『iX HEADHUNTER AWARD 2021』ハイクラス転職人数部門1位(2,500名中)を受賞。

エグゼクティブコンサルタント 仁木 正太

 

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Bridge Agent編集部

Bridge Agent(ブリッジエージェント)は、IPO支援や経営管理コンサルティングサービスを展開するブリッジコンサルティンググループ株式会社が運営する公認会計士・弁護士などの士業やCFO、経理・財務、人事、法務などの管理部門職の転職支援を行う転職エージェントです。経験豊富なコンサルタントがあなたにマッチする求人の提案やキャリアの相談をさせていただきます。

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