昨今、コンサルタントとして培ったスキルや経験を生かしてベンチャー企業への転職を考える方が増えています。
大手ならではの安定した環境から一転して、ベンチャー企業のダイナミックで変化の激しい環境で働いていけるのかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、コンサル出身者がベンチャー企業へ転職する際のメリット・デメリット、そして求められるスキルや経験について詳しく解説します。
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目次
ベンチャー企業はコンサル出身者を求めている
ベンチャー企業がコンサル出身者を求める理由は、そのスキルセットと経験がベンチャー企業のニーズに合っているからです。また、コンサルタントはPDCAを常に意識しており、ロジカルに物事を進めることができる点もベンチャー企業から求められている理由の1つといえます。
コンサルタントの仕事は、クライアント企業のさまざまな問題に対応し、解決策を提案することです。高い課題解決能力を持っており、急速な変化が常態化している環境でも、直面する課題をスムーズに解決できると期待されています。
また、多様な業界やプロジェクトに関わることが多いため、さまざまな状況に適応する能力も高いとされています。ベンチャー企業への転職では「カルチャーフィット」が1つの課題になるため、適応力の高いコンサル出身者は重宝されます。
コンサルからベンチャー企業へ転職するメリット
コンサルからベンチャー企業へ転職するメリットは、以下の5つです。
- コンサルタントとしてさらなるキャリアアップを目指せる
- コンサルタントとして培ったノウハウを生かせる
- マネジメントに関わりやすい
- 意思決定が早くやりがいを感じられる
それぞれのメリットを解説します。
コンサルタントとしてさらなるキャリアアップを目指せる
コンサルからベンチャー企業へ転職するメリットは、コンサルタントとしてさらなるキャリアアップを目指せる点です。多くのベンチャー企業は成長段階にあるため、新しいプロジェクトへの参画やチームの構築などを通じてコンサルタントとして成長できます。
また、分析や提案を行うだけでなく実際に事業運営に携われるため、独立開業を目指している方にもおすすめの選択肢といえます。
事業運営に関わることで、自分で考えてPDCAを回す機会が増えます。その結果、社会に貢献できれば非常にやりがいを感じられるでしょう。
コンサルタントとして培ったノウハウを生かせる
コンサルタントとして培ったノウハウを生かせるのも、ベンチャー企業へ転職するメリットです。プロジェクトを通して身についた業界知識や戦略的思考、問題解決能力などのスキルは、ベンチャー企業の業務でも大きく役立ちます。
たとえば、ベンチャー企業の成長段階のうち、アーリー期は、事業の売上が不安定な時期です。既存の事業を分析・修正するプロセスでは、コンサルでの経験が生きてくるでしょう。
マネジメントに関わりやすい
マネジメントに関わりやすいのも、コンサルからベンチャー企業へ転職するメリットです。コンサル経験者であれば、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)などのポジションで転職できる可能性があります。
転職で求めるものは人それぞれですが、「マネジメントに関する経験を積みたい」「リーダーシップを発揮したい」などの希望がある方にとって、ベンチャー企業は理想的な環境です。
ただし、いきなり要職に就く場合、結果をすぐに求められる傾向にあります。やりがいある仕事ができる反面、厳しい評価の目が向けられるなど、過酷な業務となる可能性もあることは念頭に置いておきましょう。
意思決定が早くやりがいを感じられる
ベンチャー企業は大企業に比べてスタッフが少人数であることが多いため、意思決定をしてから実行するまでが早い傾向にあります。コンサルタントとしてのノウハウを実行に移すまでがスピーディーであるため、成果を早く出すことが可能であり、やりがいにもつながります。
ベンチャー企業では、明確な形で成果主義の文化が浸透していることが多く、自身の業績や成果が直接的に評価される環境が整っています。成果をあげればそれに見合った収入を得られる可能性が高いため、モチベーションを維持しながら働きやすいのが魅力です。
コンサルからベンチャー企業へ転職するデメリット・注意点
コンサルからベンチャー企業へ転職するデメリット・注意点は、以下の5つです。
- 年収が下がる場合がある
- 転職先であるベンチャー企業が倒産するおそれがある
- ワークライフバランスを確保できない可能性がある
- カルチャーフィットしない場合がある
- 教育環境が整っていない場合がある
年収が下がる場合がある
コンサルからベンチャー企業へ転職するデメリットは、年収が下がる場合がある点です。ベンチャー企業は成長段階にあり、リソースが限られていることが多いため、コンサル時代と比較して年収が低くなる場合があります。
転職先にもよりますが、待遇面でのデメリットはある程度覚悟する必要があります。
倒産するおそれがある
倒産する可能性があるのも、コンサルからベンチャー企業へ転職するデメリットです。
理由はさまざまですが、市場の変化や競争激化などにより倒産するリスクがあるため、安定した収入・キャリアパスを求める方にはあまり向いていません。
たとえ倒産しなかったとしても、「急な方針転換により上場準備に関するプロジェクトを延期する」など、自分が想定していなかった結果になる場合もあります。転職する前に、組織として不安定な点は念頭に置きましょう。
ワークライフバランスを確保できない可能性がある
ワークライフバランスを確保できない可能性があるのも、コンサルからベンチャー企業へ転職するデメリットです。
ベンチャー企業では、さらなる成長や新しい事業展開に向けて多くのリソースが必要とされる場合があります。その結果、長時間労働が常態化するため、ワークライフバランスを確保することが難しくなることも考えられます。ただし、コンサルも同様に激務の傾向にあるため、ベンチャー企業の忙しさに適応できないといったケースはそれほど多くないと考えられます。
カルチャーフィットしない場合がある
コンサルからベンチャー企業へ転職する際は、カルチャーフィットしない場合があることも念頭に置いておきましょう。ベンチャー企業のスピード感や柔軟性に適応できず、再びコンサルに戻るようなケースも十分考えられます。
ベンチャー企業は、成長段階や業界、創業者のバックグラウンドなどによって、カルチャーが大きく異なります。転職時は、業務内容や待遇面だけでなく、カルチャーフィットの側面も十分に検討するのが重要です。
教育環境が整っていない場合がある
ベンチャー企業へ転職するデメリットとして、教育環境が整っていない場合がある点も挙げられます。
ベンチャー企業の場合、企業としてのノウハウが蓄積していないため、転職先でレベルの高い教育を受けるのが難しいおそれがあります。特に年齢の若い人ほど、大きなデメリットとなるでしょう。
コンサルからベンチャー企業へ転職する際に求められるスキル・経験
コンサルからベンチャー企業へ転職する際に求められるスキルは、戦略的思考と問題解決能力です。
- 戦略的思考:長期的な視点で物事を考え、組織の目標を達成するための計画やアプローチを構築する能力
- 問題解決能力:問題点を特定し、それを解決するための施策を考え、実行する能力
上記の能力は、コンサルタントの仕事で培われることも多く、ベンチャー企業においても大いに役立つスキルです。戦略的思考により長期的なビジョンを持ちつつ、問題解決能力で具体的な課題に対処することで、組織の成長と成功に貢献できます。
さらにベンチャー企業は、新しいビジネスの枠組みや管理のための仕組みを作るなど、大手上場企業とは異なるマインドが求められます。転職する際は、上記に加えて柔軟性を具体的にアピールできるとよいでしょう。
コンサルからベンチャー企業へ転職する際のポイント
コンサルからベンチャー企業へ転職する際のポイントは、以下の4つです。
- 自己分析を行い、キャリア目標を明確化する
- 企業選びは慎重に行う
- 社内での関係構築を重視する
- 転職エージェントなどを活用してできる限り情報収集をする
それぞれのポイントを解説します。
自己分析を行い、キャリア目標を明確化する
コンサルからベンチャー企業へ転職する際は、自己分析を行い、キャリア目標を明確化するのが重要です。具体的な転職活動を始める前に、まずはコンサルとして磨いたスキルと経験をリストアップします。
自分の強みを明確にし、それをベンチャー企業でどのように生かせるかを考えます。同時に、弱みについても認識し、改善するための計画を立てましょう。ベンチャー企業でのキャリアパスは多様であるため、具体的なキャリア目標が重要です。
企業選びは慎重に行う
企業選びを慎重に行うのも、コンサルからベンチャー企業へ転職する際のポイントです。「ベンチャー企業」と一括りに言ってもその範囲は幅広く、適切な企業選びをしないと転職後に後悔するおそれがあります。
企業の成長がどの段階にあるのか、そして思い描いているビジョンや経営理念に共感できるかどうかを確認しましょう。特にCOOなど経営層でのポジションで転職する場合は、周囲の経営層との相性も重要です。
社内での関係構築を重視する
コンサルからベンチャー企業へ転職する際は、社内での関係構築を重視しましょう。特に役職付きで転職する際、組織が小さければ小さいほど、社内での信頼関係を構築するのに苦労するケースが多い印象です。
ベンチャー企業の社員の視点になってみると、自社とはまったく関係ない人がいきなり経営層として就任しても、素直に受け入れられないこともあるかもしれません。
「他の経営陣のメンバーと同じ企業に勤めていた」「外部の協力者として入社前から関係があった」など、入社する前にある程度の関係を築けていると理想的です。
転職エージェントなどを活用してできる限り情報収集をする
コンサルからベンチャー企業へ転職する際は、転職エージェントなどを活用してできる限り情報収集をするのも重要です。
転職エージェントは、転職市場の最新動向や各業界のトレンドに詳しいため、ベンチャー企業の現状や求められるスキルセットについて具体的な情報を得られます。
ベンチャー企業の求人情報を探している場合は、ハイクラス人材向け転職支援サービスBridge Agentまでお気軽にご相談ください。
コンサルからベンチャー企業へ転職した際のキャリアパス
コンサルからベンチャー企業へ転職した際のキャリアパスは、前職によって大きく異なります。戦略系コンサルティングファームや総合系コンサルティングファームで経験を積んできた方であれば、CEOやCOOを目指すことが多いとされています。
一方で、IT系やFASなど、特定分野のコンサルティングファームであれば、それぞれの専門領域でのマネジャーを目指すのが一般的です。ベンチャー企業で経営に近い部分でのさまざまな経験を経て、独立開業に進むルートもあります。
未経験でコンサルからベンチャー企業への転職は可能?
コンサルからベンチャー企業への転職は、未経験であっても十分に可能です。コンサルティングファームやシンクタンクなどから転職するポストコンサルは、問題解決能力やリーダーシップに優れており、転職市場で高く評価されやすい人材です。
前述のように、戦略的思考や問題解決能力など、コンサル時代に培った経験がベンチャー企業での業務で役立つ機会も多くあります。未経験でも問題なく採用されますし、業務面でも強みを発揮しやすいでしょう。
コンサルからベンチャー企業への転職を検討している方へのアドバイス
コンサルからベンチャー企業へ転職するメリットは多くある一方、デメリット・注意点もあるため、まずは自分の適性をよく考えるのが重要です。基本的には安定志向よりも、リスクを背負って新しいことをしたいなど、チャレンジ精神豊富な人が向いています。
転職活動の際は、転職エージェントなどを活用して、なるべく多くの情報を集めるのが重要です。サービスによってはベンチャー企業への転職支援に強みを持っているところもあるため、併行して利用するのもおすすめです。
弊社ではベンチャー企業への経営管理に関するコンサルティングやIPO支援サービスを提供しているつながりから、非公開求人情報を豊富に扱っています。ベンチャー企業への転職を検討している場合は、Bridge Agentまでお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
公認会計士A
保有資格:公認会計士、証券外務員(第一種・第二種)、簿記1級など。
大学在学中に公認会計士試験に合格。その後、監査法人や投資銀行を経て、現在は投資ファンドでPE投資に従事。