FASへの転職で後悔する7つのパターンと対策を解説

FASへの転職で後悔する7つのポイント

FASは、「Financial Advisory Service(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)」の略で、M&Aや財務業務に関連したサービスを提供しています。転職先としても人気ですが、FASで働き始めて後悔する方もいるようです。

そこで本記事では、FASへの転職で後悔する7つのパターンとその対策、未経験からの転職について解説します。FASへの転職を考えている場合は、ハイクラス人材の転職支援に特化しているBridge Agentまでご相談ください。

FASへの転職で後悔する7つのパターン

FASへの転職で後悔するパターンは、以下の7つです。

  • 業務内容が単調に感じられる
  • 希望していた部門に配属されない
  • 希望していた案件にアサインされない
  • 肉体的・精神的負荷が大きい
  • 英語力が生かせない
  • スキルが偏ってしまう
  • 人間関係が良くない

それぞれの概要と対策を紹介します。

公認会計士のFASへの転職について詳しくは、以下の記事も参照してください。

業務内容が単調に感じられる

FASへの転職で後悔するパターンとしてよく挙げられるのは、業務内容が単調に感じられることです。

FASには、細かい財務分析や繰り返しのデータ処理などを伴う作業が多いです。他にも「入社してからずっと財務デューデリジェンスばかりで飽きる」など、同じ業務ばかりで単調に感じられるケースもあります。クリエイティブな仕事を期待していた方や、さまざまな業務を経験できると思っていた方は、途中で嫌気がさすこともあるかもしれません。

業務内容が単調に感じられる場合、そもそもFASに向いていない可能性があるため、別のキャリアを模索するのがおすすめです。

希望していた部門に配属されない

FASへの転職で後悔するパターンとして、希望していた部門に配属されないケースもあります。FASの業務は、M&Aアドバイザリーやトランザクション、不正調査(フォレンジック)など多種多様で、希望通りに配属されないこともあるでしょう。

たとえば、M&Aアドバイザリーの業務に携わりたいと考えていたのにも関わらず、不正調査(フォレンジック)の部門に配属され、M&A関連の知識やスキルが身につかないといったケースがあります。

対策としては、転職活動中に配属部門の希望を明確に伝え、入社後の配属変更の可能性についても探っておくのが重要です。加えて、希望する部門に必要な、高度なスキルセットを用意すると良いでしょう。

希望していた案件にアサインされない

「希望していた部門に配属されない」とも関連しますが、希望していた案件にアサインされず、後悔するパターンもあります。原因としては、自分のスキル不足や企業内人的リソースの偏りなどが考えられます。

仮にクロスボーダー案件を希望していても、自分に能力や経験がなければ、結果的にアサインされないことも珍しくありません。転職するFASによっては、そもそも希望する案件を多く取り扱っていない可能性もあります。

対策としては、「希望していた部門に配属されない」というケースと同様、転職活動中に希望を明確に伝え、配属変更の可能性を把握することが重要です。もしくは希望通りにアサインしてくれる別のFASに転職する方法があります。

肉体的・精神的負荷が大きい

FASへの転職で後悔するパターンとして、肉体的・精神的負荷が大きいというケースもあります。FASでは複数のプロジェクトが重なることも多く、佳境に入ると残業時間が増えるのが基本です。

繁忙期には日付を超えて残業することもあり、一般的には「激務」の部類に入ります。肉体的・精神的に大きなプレッシャーがかかり、ハードな働き方についていけないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

対策としては、大手上場企業など、ワークライフバランスを確保しやすいところへの転職を検討することです。FASの労働時間の長さは、ビジネスモデルの構造上の問題であり、同業他社への転職では解決しない可能性があります。

英語力が生かせない

前述の「希望していた案件にアサインされない」にも関連しますが、英語力を発揮するために転職したものの、クロスボーダー案件ができずにくすぶってしまうパターンもあります。

FASの業務は多岐にわたりますが、それぞれの業務が国内クライアント向けに限られている場合、日常的に英語を使用する機会が少なくなります。具体例を挙げれば、M&Aアドバイザリーなどの部門では中堅規模の国内案件が多いため、それほど英語力を生かせません。

対策としては、「財務デューデリジェンスの部門に配属してほしい」など、転職活動中に希望を明確に伝えるのが重要です。希望通りにアサインしてくれる別のFASに転職する方法もあります。

スキルが偏ってしまう

スキルが偏ってしまうのも、FASへの転職で後悔するパターンとしてよく見られます。FASでは、入社してから同じ業務をずっと担当することも珍しくありません。

たとえば、財務デューデリジェンスの部門に配属され長く勤めてきたものの、バリュエーション(企業価値評価)のノウハウがなく、その後のキャリアで不利になってしまうなどのケースがあります。

対策として考えられるのは、配属変更を願い出ることです。あらかじめ目標が明確になっていれば、必要となるスキルも分かるため、社内でもうまくアピールしやすくなります。これまで見てきたように、希望通りにアサインしてくれるところへ転職するのも1つの方法です。

人間関係が良くない

そこまで多くはありませんが、人間関係が原因で後悔するケースもあります。もちろんどの職場にも人間関係の問題は存在しますが、特にプレッシャーの高い環境では、ストレスが人間関係に影響を及ぼすこともあるでしょう。

こればかりは入社してみないと分からないので、対策は難しいです。すでに働いている知人がいれば、その人を経由して情報を集められるかもしれません。ただしFASの社風は、外資系投資銀行などに比べれば幾分かマイルドなところが多いとも言われています。

人間関係に関しては、コミュニケーションに注意すれば改善できる部分もあります。転職して人間関係が改善される保証もないため、「自分に原因はないかどうか」を考えるのも重要です。

FASへの転職で後悔しにくい方の特徴

FASへの転職で後悔しにくい方の特徴としては、以下の4つがあります。

  • 関連するスキル・経験が身についている
  • 転職先の特徴を見極めている
  • ハードワークができる
  • 地道な作業が得意

それぞれの特徴を解説します。

関連するスキル・経験が身についている

FASへの転職で後悔しにくい方の特徴は、関連するスキル・経験が身についていることです。スキルセットが充実していない場合、足元を見られて希望する部署に配属してもらえないケースがあります。

逆にスキル・経験が十分であれば、それに見合った配属をしてもらえる可能性が高まるでしょう。クロスボーダー案件を希望している場合、十分な英語力を証明しつつ、経験が豊富であれば希望が通りやすくなります。

転職先の特徴を見極めている

転職先の特徴を見極めているのも、FASへの転職で後悔しにくい方の特徴です。情報収集を徹底していると、自分に合った転職先を選びやすくなり、結果として後悔するリスクも抑えられます。

特に人脈が広い人や行動力がある方は、候補となっている企業の情報も集めやすいでしょう。FASに限った話ではありませんが、転職を検討している場合は、インターネットリサーチや転職エージェントなどさまざまな方法で情報を集めるのが重要です。

ハードワークができる

ハードワークができるのも、FASへの転職で後悔しにくい方の特徴です。FASでの業務はどうしても肉体的・精神的タフさが求められる部分があり、ワークライフバランスではなく「仕事第一」の姿勢が求められます。

もちろん昨今ではワークライフバランスを重視する風潮もあり、労働環境が改善されている企業も少なくないでしょう。それでも現状として、世間一般の基準で考えれば「激務」「忙しい」と言われる業界です。

地道な作業が得意

地道な作業が得意な方も、FASへの転職で後悔しにくいでしょう。FASにはデューデリジェンスやM&Aアドバイザリーなどさまざまな仕事があり、いずれも数字に向き合うことが重要です。

デューデリジェンスであれば、企業の財務状況や契約、法務、税務など、細部にわたる調査を行います。他人からすると単調に感じられるような業務でも、目的意識を持って粘り強く取り組める方が向いています。

未経験からFASに転職できる?

実務未経験者がFASへの転職を考える際には、一定のスキルや経験が必要です。

まずは、会計監査の経験です。財務諸表や会計処理が適正かどうかを評価する能力で、財務デューデリジェンスやM&Aアドバイザリーなどで直接活用されます。公認会計士として監査法人などに勤めた経験があれば、チャンスはあるでしょう。

会計監査の経験がない場合は、コンサルティングファームでの経験が転職に役立つ可能性があります。

上記のいずれの経験もない場合、未経験から転職するのは難しいかもしれません。その場合は、関連する分野での経験を積んでから、将来的にFASへの転職に挑戦されることをオススメします。

自身のキャリアプランに悩んでいる、キャリアやスキルの棚卸しを検討されている方は、お気軽にご相談ください。コンサルタントが丁寧にサポートさせていただきます。

FASへの転職で後悔しないよう情報収集を徹底しよう

FASへ転職するパターンはいくつかありますが、それぞれ対策する方法もあります。まずは現在の環境に適応できるかどうかを考え、難しいようであれば転職を検討しましょう。同業他社に転職するのか、それともFAS以外のキャリアを考えるかの見極めも重要です。

転職を検討している場合は、転職エージェントを有効活用しましょう。非公開求人を紹介してもらえるだけでなく、キャリア相談などさまざまなサポートが受けられます。

ハイクラス人材の転職支援に特化しているBridge Agentは、FASなどのコンサルティングファームの求人も取り扱っています。転職を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

ブリッジコンサルティンググループ株式会社
執行役員/ヒューマンリソースマネジメント事業部 事業部長 仁木 正太

新卒から15年間、九州屈指の地方銀行で法人向けに、融資新規開拓から深耕営業を中心に従事。その後、急成長ベンチャーにて大手、上場企業の事業部長、役員経験者を対象とした“エグゼクティブ人材”と企業オーナーとのマッチング支援サービスに従事し、海外現地法人社長、子会社社長、ベンチャー企業の取締役CxOなどへの移籍を約50名手掛ける。2020年、ブリッジコンサルティンググループで人材紹介サービス「Bridge Agent」を立ち上げる。パーソルキャリア運営ハイクラス転職サービス『iX転職』にて、2021年に最も活躍したヘッドハンターを表彰する『iX HEADHUNTER AWARD 2021』ハイクラス転職人数部門1位(2,500名中)を受賞。

エグゼクティブコンサルタント 仁木 正太

 

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Bridge Agent編集部

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