公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の仕事内容や年収目安、キャリアパスを解説

昨今では、公認会計士の転職先として、スタートアップ企業の人気が高まりつつあります。「スタートアップ企業で働く魅力は?」「スタートアップ企業の待遇はどうなの?」といった疑問を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本記事では、公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の仕事内容や年収目安、転職方法、キャリアパスを解説します。

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公認会計士がスタートアップ企業で活躍するための基礎知識

日本公認会計士協会によれば、組織内会計士をサポートするためのネットワーク「組織内会計士ネットワーク」の会員数は2,927名(2023年12月末時点)です。上場会社勤務者は1,179名、非上場会社勤務者は983名となっています。

公認会計士は監査法人で働くイメージが根強いものの、スタートアップ企業を含む事業会社に転職する例も見られます。「監査法人以外に転職するのが不安」という方もいるかもしれませんが、十分に活躍するチャンスがあります。

公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の仕事内容

公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の仕事内容は、「経理・財務関連業務」「事業関連業務」「その他の業務」の3つに大別されます。以下、それぞれの仕事内容を解説します。

経理・財務関連業務

公認会計士がスタートアップ企業に転職する場合、経理・財務部門の担当者として働くだけでなく、責任者という立場になるケースもあります。会計システムの導入・管理や経理部門(管理部門)のマネジメントなど、任される業務はさまざまです。

財務関連の業務としては、資金調達の計画・実行や企業の財務状況の分析、戦略的な意思決定のサポートなどです。

事業関連業務

スタートアップ企業のプロダクトによっては、営業や製品開発などの事業関連業務にも広く携わるケースもあります。会計士として転職したものの、会計業務はあまり行わず、「仕事の8割程度は事業関連業務に従事する」という例もそれほど珍しくありません。

また、あまり多くはありませんが、事業関連業務としてマーケティングに携わる公認会計士もいます。予算実績管理などは、会計士の強みを発揮しやすい部分です。

その他の業務

その他、公認会計士がスタートアップ企業に転職した際に関わる可能性があるのが法務関連業務です。ただし法律の専門家ではないため、顧問弁護士との連携が求められます。特に人員規模の小さなスタートアップ企業では、法務関連業務の他に人事・総務、経営企画に関連する業務にも携わることがあります。

また、スタートアップ企業は内部の管理体制が整っていないケースも多いため、内部統制構築の役割を求められることもあります。

公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の年収目安

前提として、公認会計士がスタートアップ企業に転職した際の年収は、転職先やポジションによって大きく異なります。公認会計士としての経験が浅く、一般的なスタッフなどの職位であれば、年収500万円程度が目安です。

公認会計士がスタートアップ企業に転職する場合、一般的なスタッフだけでなく、マネジャーやそれ以上のポジションを任されるケースが多くあります。マネジャーの場合は年収600万円から1,000万円程度、CFO(最高財務責任者)であれば1,000万円以上を目指せるでしょう。

公認会計士がスタートアップ企業で働く魅力

公認会計士がスタートアップ企業で働く魅力は、以下の3点です。

  • 幅広い業務を通して成長できるチャンスがある
  • 裁量が大きい
  • 大手上場企業よりも上位のポジションで働きやすい

以下、それぞれの魅力を解説します。

幅広い業務を通して成長できるチャンスがある

公認会計士がスタートアップ企業で働く魅力は、幅広い業務を通して成長できるチャンスがある点です。単なる財務報告だけでなく、資金調達や予算管理などを任されることもあります。

上場を目指す企業での上場準備経験は、非常に貴重です。スキルや経験の幅を広げつつ、キャリアの成長につながるのはスタートアップ企業ならではの魅力と言えるでしょう。

裁量が大きい

裁量が大きいことも、公認会計士がスタートアップ企業で働く魅力です。自分の判断で業務を進めたり、具体的な方法やアプローチを自分で決めたりと、大手上場企業に比べて自由度が高い傾向にあります。

もちろん、それに伴って自分の意思決定が企業の成果に直接影響を与えやすく、責任も大きくなりますが、「それでも広い裁量で自分の力を存分に発揮したい」という方に向いています。

大手上場企業よりも上位のポジションで働きやすい

大手上場企業よりも上位のポジションで働きやすいのも、スタートアップ企業の魅力です。組織の規模が比較的小さいため、公認会計士が転職する際に、より上位のポジションで働けるチャンスがあります。

公認会計士がスタートアップ企業に転職する方法

公認会計士がスタートアップ企業に転職する方法は、以下の3つがあります。

  • 人脈
  • 転職エージェント
  • 求人サイトでスカウトを受ける

それぞれの方法を詳しく解説します。

人脈

公認会計士がスタートアップ企業に転職する方法としてまず検討したいのは「人脈」です。スタートアップ企業でも、成長の最初の段階である「シード期」の場合は、起業前後の準備段階なので正式な募集を行っていません。

上記のような企業の場合は、基本的にリファラル採用(社員紹介による採用)となります。友人・知人に話を聞いたり、SNSなどで情報収集をしたりしていると、目当ての求人情報を得られるかもしれません。

転職エージェント

転職エージェントの利用も、スタートアップ企業に公認会計士として転職する方法の1つです。転職エージェントは、スタートアップ企業の求人情報を提供するだけでなく、適切なポジションや企業を見つけるためのサポートも行っています。

エージェントによってそれぞれ強みや弱みがあるため、活用する際は各サービスの特徴によって選びましょう。

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求人サイトでスカウトを受ける

スタートアップ企業に公認会計士として転職するには、求人サイトでスカウトを受ける方法もあります。スカウトとは、企業が求人サイトに登録しているユーザーのプロフィールを確認しつつ、直接アプローチして採用の意思を伝える機能です。

多くの求人サイトにはスカウト機能が備わっており、スカウト機能を有効にしておくと、企業から直接連絡が来ることがあります。

公認会計士がスタートアップ企業に転職する際の注意点

公認会計士がスタートアップ企業に転職する際の注意点は、以下の3つです。

  • 自分がスタートアップ企業に向いているかどうかを確認する
  • 待遇面を細かく確認する
  • 社風や経営陣との相性などを見極める

それぞれのポイントを解説します。

自分がスタートアップ企業に向いているかどうかを確認する

公認会計士がスタートアップ企業に転職する際は、まず自分の向き不向きを確認しましょう。具体的には、自身のスキルセットや性格・価値観が、スタートアップ企業での環境に適しているかどうかをよく考えます。

企業によっては、経理・財務関連業務だけでなく、事業関連業務など幅広いスキルが求められます。また、企業の成長段階によっては、ワークライフバランスを確保するのが難しく、ストレス耐性などの特性が求められるため注意が必要です。

待遇面を細かく確認する

待遇面を細かく確認するのも、公認会計士がスタートアップ企業に転職する際の注意点です。スタートアップ企業は成長過程にあるため、大手企業と比較して待遇面が異なります。つまり、転職を通じて年収が下がる可能性もあります。

給与や福利厚生を検討し、自身のライフスタイルや将来のビジョンに合致するかどうかを確認するのが重要です。本記事で紹介した年収目安を参照していただければ、給与・福利厚生のおおよその評価がしやすいかと思います。

社風や経営陣との相性などを見極める

公認会計士がスタートアップ企業に転職する際は、社風や経営陣との相性などを見極めるのも重要です。企業のビジョンや文化、経営陣の方針などを事前に調査し、自身の価値観や目標と合致するかどうかを確認します。

スタートアップ企業では、経営陣との距離が近いため、彼らとの相性も重要です。特にCFOとして転職する場合は、経営陣による面接(カジュアル面談含む)が実施されることも多いため、その際によく見極めるようにしましょう。

公認会計士がスタートアップ企業に転職した際のキャリアパス

転職したスタートアップ企業で上場準備に関わった場合は、その経験を活かして同フェーズの企業に転職するルートがあります。前述のように、上場準備に携わった人材は貴重で、転職市場でも高く評価される傾向にあります。

部門のマネジャーなどのポジションで転職した場合は、その企業でCFOとしてキャリアアップする道もあるでしょう。CFOになった後は、別の企業のCFOとして転職したり、起業したりとさまざまなキャリアがあります。

公認会計士の資格を持っているため、スタートアップ企業で勤めた後、再び監査法人に戻るケースもあります。特に監査法人でインチャージまで経験していれば、再就職もスムーズに進みやすい印象です。

未経験でもスタートアップ企業で働ける?

目指すポジションによって難易度は変わりますが、基本的には経理・財務業務が未経験でもスタートアップ企業に転職できます。特に公認会計士の場合は、肩書きで会計・財務に関する専門知識を証明できるため、一般的な人材と比べて転職しやすいと言えるでしょう。

具体例を挙げれば、監査法人で経験を積みつつ、スタートアップ企業のCFOとして転職するなどの道があります。スタートアップ企業では、単なるブレーキ役ではなく積極的に組織を作っていく姿勢が求められるため、そうした点を考慮しつつアピールするとよいでしょう。

スタートアップ企業への転職を目指す公認会計士へのアドバイス

公認会計士は監査法人で働くイメージが根強いものの、昨今ではスタートアップ企業に転職するケースもよく見られるようになっています。裁量が大きく、大手上場企業よりも上位のポジションに就きやすいなど、スタートアップ企業ならではのメリットも豊富です。

スタートアップ企業に公認会計士として転職する方法はさまざまですが、求人情報の提供以外のサポートも受けたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

弊社ではスタートアップ企業への経営管理に関するコンサルティングやIPO支援サービスを提供しており、スタートアップ企業に関する求人情報を豊富に扱っています。転職を検討している場合は、Bridge Agentまでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

公認会計士

証券外務員(第一種・第二種)。 大学在学中に公認会計士試験に合格。その後、監査法人や投資銀行を経て、現在は投資ファンドでPE投資に従事。保有資格は、証券外務員(第一種・第二種)、公認会計士、簿記1・2・3級など。

 

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Bridge Agent編集部

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