公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリット・デメリットやキャリアパスを解説

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリット・デメリットやキャリアパスを解説

公認会計士は転職市場での評価が高く、転職先としてさまざまな選択肢があります。そのなかの1つとして、コンサルティング業界に関心を抱いている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、コンサルティング業界への転職を考えている公認会計士に向けて、メリット・デメリットやキャリアパス、コンサルに向いている方の特徴を解説します。

コンサルティング業界以外の選択肢も検討したい場合は、Bridge Agentまでお気軽にご相談ください。

公認会計士からコンサルティング業界への転職は可能?

結論から言えば、公認会計士からコンサルティング業界への転職は可能です。FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)や戦略系コンサルティングファームなど、さまざまな選択肢があります。

ただし、コンサルティングは、人によって向き不向きがあるのも事実です。コンサルに転職するメリット・デメリットや、向いている方の特徴をよく確認するのが重要になります。

公認会計士がコンサルティング業界へ転職する理由

公認会計士がコンサルティング業界に転職する理由としては、「監査法人での業務にやりがいが感じられなくなった」「よりやりがいのある仕事を求めるようになった」という部分が大きいようです。

監査法人では、いわゆるルーティンワークが多く、特に職位が低い方ほどその傾向が顕著です。待遇面でそれほど不満はないものの、日々の業務が単調に感じられ、やりがいを求めてコンサルティング業界に転職したいと考えるようになるのかもしれません。

他にも「人間関係に疲れてしまった」「出世競争に敗れて昇格が難しくなった」など、転職の理由は人によってさまざまです。キャリアを見直すきっかけがあり、そこで新しい道としてコンサルティング業界を志望する方もいます。

公認会計士がコンサルティング業界へ転職する場合の主な選択肢

公認会計士がコンサルティング業界へ転職する場合の主な選択肢は以下の3つです。

  • FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)
  • 戦略系コンサルティングファーム
  • 企業・事業再生系コンサルティングファーム

それぞれの概要や特徴を解説します。

FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)

FASは、財務・会計に関するアドバイスを行うサービスです。具体的にはM&Aアドバイザリーや事業再生業務などを担当します。公認会計士としては、内部統制に関する知識や財務デューデリジェンスに関するスキルを生かすことができます。

コンサルティング業界では、監査法人で培ったノウハウを生かすのがどうしても難しい部分があります。FASでは公認会計士としての専門知識を存分に発揮できるため、「コンサルティング業界へ転職したいが、公認会計士としてのスキルもなるべく発揮したい」と考える方にとっては最適な選択肢と言えるでしょう。

FASへの転職については、以下の記事で具体的に解説していますので、ご興味がある方はご覧ください。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームは、主にクライアント企業が抱える様々な経営課題を解決することを目的としています。業務内容は、戦略立案やマーケティング戦略、新規事業の企画立案などです。

マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループといった外資系から、ドリームインキュベータなどの日系戦略ファームまで種類はさまざまです。戦略系コンサルティングファームでは、M&Aなどの領域も取り扱いますが、基本的には公認会計士としての専門知識を生かせる機会は限られています。

企業・事業再生系コンサルティングファーム

企業・事業再生系コンサルティングファームは、名前の通り、企業または事業単位での再生コンサルティングを行います。具体的には、キャッシュフローの改善や財務状況の改善、バランスシートの再構築などです。

採用においては、事業分析・改善能力が重視されます。そのため、公認会計士や税理士などの士業の経験やスキルを持つ人材が多く採用されています。

FASや戦略コンサルティングファームと比較すると、より現場に密着したコンサルティングを行うため、実務経験や問題解決能力が求められることがあります。そのため、体力と精神面でのタフさも必要です。

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリット

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリットは、主に以下の3点です。

  • 高収入を目指せる
  • やりがいを感じやすい
  • キャリアの幅が広がる

それぞれのメリットを解説します。

高収入を目指せる

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリットは、高収入を目指せる点です。FASの場合、職歴の浅い方のポジションである「アソシエイト」でも、日本人の平均年収よりも高く設定されているようです。

「アソシエイト」の上のポジションである「シニアアソシエイト」や「マネジャー」では、年収1,000万円を狙える可能性もあります。賞与の内容によっては、さらに高い年収を得ることができるかもしれません。

やりがいを感じやすい

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリットの1つは、やりがいを感じやすい環境にあることです。

コンサルティング業界では、クライアント企業の経営課題を解決するために、責任の大きな仕事を担います。この仕事には大きなプレッシャーが伴いますが、同時にクライアントから直接感謝される機会も多くあります。

監査法人での業務が単調でやりがいを感じにくくなっている人にとっては、コンサルティング業界での仕事は刺激的な環境であり、新たなやりがいを見出すことができるでしょう。

キャリアの幅が広がる

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリットとして、キャリアの幅が広がるという観点も重要です。たとえば、監査法人からコンサルティングファームへ転職することで、会計監査だけでなく、企業の経営や税務などさまざまな知識を吸収できる機会が得られます。

転職を通じて、「当初は監査のエキスパートを目指していたが、コンサルティングファームへ転職し、結果コンサルタントとして独立」といったキャリアプランも考えられるでしょう。特に20代から30代前半、キャリアの方向性がまだ定まっていない場合は、将来のキャリアに大きな恩恵をもたらす可能性があります。

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するデメリット

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するメリットが多くある一方で、以下のようなデメリットも見逃せません。

  • ワークライフバランスを確保するのが難しい
  • 景気の変動の影響を受ける
  • 公認会計士としてのスキルを発揮するのが難しい可能性もある

それぞれのデメリットを解説します。

ワークライフバランスを確保するのが難しい

公認会計士がコンサルティング業界へ転職するデメリットは、ワークライフバランスを確保するのが難しいことです。もちろんリモートワークやフレックスタイム制など、時間や場所を選ばずに働ける環境が整っているところもあります。

コンサルというとどこかスマートなイメージが先行しがちですが、基本的にはクライアントファーストであり、品質向上のために泥臭く仕事をする一面もあります。労働時間が長くなりがちなので、ワークライフバランスを重視している場合は注意が必要です。

景気の変動の影響を受ける

景気変動の影響を受けるのも、公認会計士がコンサルティング業界へ転職するデメリットです。たとえば監査法人の場合、景気が良くても悪くても、監査の実施自体に影響はありません。

一方、コンサルティングは、基本的に企業の経営課題を解決する仕事です。景気が悪化した場合には、事業再生案件が増加する可能性が考えられます。その時の景気によって関わる仕事が変わるため、幅広い知識と適応力が要求されることになり、人によっては困難に感じることがあるかもしれません。

公認会計士としてのスキルを発揮するのが難しい可能性もある

公認会計士としてのスキルを発揮するのが難しい場合があるのも主なデメリットです。監査法人で働いている場合、会計監査としての専門性が身につくものの、そのすべてがコンサルティングファームで発揮できるわけではありません。

たとえば戦略系コンサルティングファームでは、市場状況分析などマーケットを見る力や、高度なプレゼンテーション能力などが求められ、公認会計士としてのスキルを生かせる場面は少ないでしょう。

一方、FASであれば比較的公認会計士としてのスキルを発揮しやすいため、「どのようなファームに転職するか」は念入りに検討したいところです。

公認会計士がコンサルティング業界へ転職する場合のキャリアプラン

FASや戦略系コンサルティングファームなど、選択肢は幅広いものの、いずれも激務になりがちです。定年まで勤めるのは現実的に難しいため、監査法人に戻ったり、ワークライフバランスが整った事業会社に転職したりします。

事業会社というと大手上場企業を思い浮かべがちですが、IPO準備企業・スタートアップベンチャー企業に転職したり、独立して自分の事務所を構えたりする方法もあります。コンサルは「キャリアステップの1つ」と考えている方が多いようです。

コンサルティング業界に向いている公認会計士の特徴

前述のように、コンサルティング業界には人によって向き不向きがあります。コンサルに向いている公認会計士の特徴は、以下の3点です。

  • ハードワークに耐えられる
  • コミュニケーション能力が高い
  • 好奇心旺盛で勉強が好き

それぞれの特徴を解説します。

ハードワークに耐えられる

コンサルティング業界に向いている公認会計士の特徴としてよく挙げられるのは、ハードワークに耐えられることです。コンサルでは成果がシビアに求められたり、各種資料作成や勉強に膨大な時間を費やしたりと、監査法人と比べてもハードになりやすいといえます。

「ハードワークをする代わりに高年収を達成したい」「ハードワークでも構わないからやりがいのある仕事をしたい」という人に向いています。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高いかどうかも、向き不向きを左右するポイントです。もちろん監査法人でもチームやクライアントとやりとりをするため、一定のコミュニケーション能力が求められます。とはいえ監査手続きに関連して発生するコミュニケーションなので、論理的に説明できる力があればそれほど大きな問題にはなりません。

コンサルティングの場合は、クライアントへの提案や問題解決のための情報収集が主な仕事です。そのため、プレゼンテーション能力や傾聴して深掘りするための能力など、より主体性が求められる傾向にあります。

好奇心旺盛で勉強が好き

好奇心旺盛で勉強熱心な公認会計士も、コンサルティング業界に向いています。コンサルティングは、単なるスキルだけではなく、「マインドセット」でも求められる部分が多い業界です。

経営課題の解決や新しい事業戦略を提案するためには、社会情勢や多岐にわたる専門知識に精通している必要があります。公認会計士試験に合格するための勉強の熱意を常に維持できるのであれば、素質としては十分でしょう。

公認会計士からコンサルティング業界への転職は、エージェントの活用がおすすめ

監査法人で働いている公認会計士がコンサルティング業界に転職する場合は、メリット・デメリットをよく比較し、自分が向いているかどうかをチェックするのがおすすめです。そのためにも、転職する理由や、転職の軸を明確にするとよいでしょう。

転職を考えている場合は、自分で求人を探すだけではなく、転職エージェントも活用していただくのがおすすめです。非公開求人を紹介してもらえるだけでなく、キャリア相談なども受けられます。

弊社は、コンサルという立場で経営層や採用ご担当者の方とのヒアリングから関わらせていただいたり、相談をいただいたりする機会が多いので、非公開求人も多数取り扱っています。コンサルティング業界への転職を考えている場合は、Bridge Agentまでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

ブリッジコンサルティンググループ株式会社
執行役員/ヒューマンリソースマネジメント事業部 事業部長 仁木 正太

新卒から15年間、九州屈指の地方銀行で法人向けに、融資新規開拓から深耕営業を中心に従事。その後、急成長ベンチャーにて大手、上場企業の事業部長、役員経験者を対象とした“エグゼクティブ人材”と企業オーナーとのマッチング支援サービスに従事し、海外現地法人社長、子会社社長、ベンチャー企業の取締役CxOなどへの移籍を約50名手掛ける。2020年、ブリッジコンサルティンググループで人材紹介サービス「Bridge Agent」を立ち上げる。パーソルキャリア運営ハイクラス転職サービス『iX転職』にて、2021年に最も活躍したヘッドハンターを表彰する『iX HEADHUNTER AWARD 2021』ハイクラス転職人数部門1位(2,500名中)を受賞。

エグゼクティブコンサルタント 仁木 正太

 

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Bridge Agent編集部

Bridge Agent(ブリッジエージェント)は、IPO支援や経営管理コンサルティングサービスを展開するブリッジコンサルティンググループ株式会社が運営する公認会計士・弁護士などの士業やCFO、経理・財務、人事、法務などの管理部門職の転職支援を行う転職エージェントです。経験豊富なコンサルタントがあなたにマッチする求人の提案やキャリアの相談をさせていただきます。

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