女性公認会計士の平均年収は?年収を上げるための4つの方法&おすすめの資格を紹介

女性の社会進出が進み、今では女性公認会計士が活躍するケースが増えています。しかし、結婚や出産などのライフステージの変化に影響を受けやすいため、「年収はどのくらいなのか?」「年収アップの方法は?」という疑問を抱える方もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、女性公認会計士の概要や年収データ、年収アップのポイントについて解説します。さらに、年収アップにおすすめの資格も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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女性公認会計士の比率は?

日本公認会計士協会によると、公認会計士の女性比率は、会員※1・準会員※2の合計で16.1%(2022年12月末時点)です。女性の社会進出が進んできた背景もあり、女性公認会計士の比率の増加が期待されています。

日本公認会計士協会は、「女性会計士活躍の更なる促進のためのKPI設定」として、以下の目標を掲げています。

  • 2048年度(公認会計士制度100周年)までに、会員・準会員の女性比率を30%へ上昇させる
  • 2030年度までに公認会計士試験合格者の女性比率を30%へ上昇させる

現在、女性公認会計士は全体のうち約5人に1人ですが、今後ますます活躍が期待されます。

女性公認会計士の活躍について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

※1 公認会計士として当協会に登録した者の合計であり、監査法人は含まない
※2 第一号準会員から第四号準会員までの合計であり、第五号準会員(特定社員)は含まない

女性公認会計士の年収

ここでは女性公認会計士の年収について紹介します。年収データは、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査*」の「公認会計士,税理士」の欄を参照の上、概算として記載しています(男性、女性のデータもそれぞれ参照)。

*調査概要
【対象】日本全国の事業所(日本標準産業分類にもとづく16大産業)
【調査方法】調査票の郵送・回収
【実施期間】2022年7月
【調査対象数】78,589事業所(有効回答数:55,427事業所 有効回答率70.5%)

(参照:e-stat  政府統計の総合窓口「令和4年賃金構造基本統計調査」公認会計士、税理士)

※「きまって支給する現金給与額×12か月分」と「年間賞与その他特別給与額」を足して算出
※1000円未満は四捨五入

公認会計士全体の年収

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、従業員数1,000人以上の企業における公認会計士の年収は以下の通りです。

  • 「きまって支給する現金給与額」(月収)が54万円程度
  • 「年間賞与・その他特別給与額」(ボーナス)が213万円程度

これにより、年収にすると861万円程度であることがわかります。ただし、この数字は「従業員数1,000人以上」と、監査法人でいえばBig4と同等の規模です。従業員数が少ない企業や中小企業では年収が下がる傾向があります。

また、このデータには税理士のデータも含まれているため、実際の公認会計士の年収はこれよりも高いと考えられます。

男性公認会計士の年収

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、従業員数1,000人以上かつ男性の区分で考えると、男性公認会計士の年収は以下の通りです。

  • 「きまって支給する現金給与額」(月収)が57万円程度
  • 「年間賞与・その他特別給与額」(ボーナス)が224万円程度

年収にすると908万円程度であるとわかります。男女計の年収と同様、従業員数(組織の規模)が少なくなる(小さくなる)と、年収も下がる傾向にあります。

男女計に比べて平均年収が高く、男性公認会計士の年収が全体の平均値を押し上げていると考えられます。

女性公認会計士の年収

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のうち、従業員数1,000人以上かつ女性の区分で考えると、女性公認会計士の年収は以下の通りです。

  • 「きまって支給する現金給与額」(月収)が41万円程度
  • 「年間賞与・その他特別給与額」(ボーナス)が161万円程度

年収にすると653万円程度であるとわかります。このデータから、男性公認会計士よりも女性公認会計士の年収が低い傾向が見られます。

ただし、女性公認会計士の人数が少ないため、平均値にはそれほど大きな影響を与えていません。なぜ女性公認会計士の年収が低くなっているのでしょうか。

女性公認会計士の年収が低くなってしまう理由

女性公認会計士の年収が低くなってしまう理由は、能力の違いではなく、主にライフステージの変化によるものです。

女性がキャリアを積む上で、どうしても避けて通れないのが、「結婚・出産」などのライフイベントです。現代では女性の社会進出が進んでいるものの、女性が主体となって家事・育児をこなしている家庭も多く、そもそも出産は女性でなければ不可能です。

出産後も、育児休暇の取得など、さまざま理由で、労働時間が減少し、年収が低下することがあります。ただし、裏を返せば男女の能力によって年収の差が生じているわけではないため、女性でも活躍しやすい職種です。

女性公認会計士が年収を上げる方法

女性公認会計士が年収を上げるには、以下の4つのポイントを意識されるといいかと思います。

  • 社内制度を活用する
  • スキルアップによる昇格を目指す
  • 独立を検討する
  • 福利厚生が整っている場所への転職を検討する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

社内制度を活用する

女性公認会計士が年収を上げるための重要なポイントは、社内制度を活用することです。前述のように、女性公認会計士の年収が低くなってしまう大きな原因は、出産や家事・育児などで勤務時間が短くなってしまうことです。

育児休暇制度や時短勤務制度などの社内制度をうまく活用すれば、ワークライフバランスを維持しつつ、ある程度の年収を得られます。ただし、規模の小さい監査法人や会計事務所では、社内制度が整備されていないところも珍しくありません。まずは社内制度が整っているかどうか確認しましょう。

スキルアップによる昇格を目指す

女性のライフスタイルはさまざまで、全員が結婚や出産を経験するわけではありません。男女に限らず、年収を上げる確実な方法がスキルアップによる昇格を目指すことです。

監査法人の場合は、スタッフ、シニアスタッフ、マネジャー、パートナーへと昇格していきます。特にパートナーであれば、年収が数千万円に達することもあり、本記事で紹介した平均年収を大きく上回る可能性があります。

独立を検討する

女性公認会計士が年収を上げるためには、独立して自分の事務所を構える方法もあります。自分の好きなスタイルで働けるため、家庭との両立を目指したい場合にもおすすめです。

独立後は、当然ながらクライアントとのネットワークが構築できていないため、勤務していた時よりも年収が下がってしまうケースもあります。しかしうまく軌道に乗れば、年収数千万円クラスも期待できるでしょう。

福利厚生が整っている場所への転職を検討する

独立は良くも悪くも実力次第であり、リスクも大きいため、安全に環境を変えたい場合は転職を検討してみてはいかがでしょうか。

監査法人や会計事務所・税理士法人によっては、福利厚生が十分に整備されていなかったり、昇格しても年収がそれほど上がらなかったりします。福利厚生が整っている場所や高収入が得られる業界に転職することで、年収をアップさせることができます。

福利厚生が整っている転職先を探す際は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。Bridge Agentは、ハイクラスの管理部門・士業に特化しており、専門のコンサルタントによるサポートも実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

女性公認会計士が年収を上げるのに役立つ資格

女性・男性問わず、公認会計士が年収を上げるためには、スキルアップが必要です。年収を上げるのに役立つ資格としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • USCPA(米国公認会計士)
  • 税理士
  • 中小企業診断士
  • 弁護士

それぞれの資格を紹介します。

USCPA(米国公認会計士)

USCPA(米国公認会計士)は、その名の通りアメリカの公認会計士資格であり、アメリカの各州で認定されています。オーストラリアやカナダなど国際相互承認協定を結んでいる国では、追加研修を受けることで現地の会計士と同じように働けるため、国際的に活躍できる可能性が広がります。

公認会計士とUSCPA(米国公認会計士)のダブルライセンスを取得することで、IFRS(国際財務報告基準)導入や、国際的な案件において力を発揮できます。女性公認会計士が年収を上げるのに役立つ資格です。

税理士

女性公認会計士が年収を上げるためには、公認会計士と税理士のダブルライセンスもおすすめです。公認会計士試験に合格していれば、書類提出や面接を通して税理士登録が可能であり、税理士の独占業務を担当できます。

単純に付加価値の高いサービスを提供できるようになるため、会計事務所やコンサルティンなどに転職する際だけではなく、独立して活動する場合にも役立ちます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、一般社団法人中小企業診断協会が実施している試験で、経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。公認会計士の資格を持っている場合は、第1次試験の財務・会計科目が免除されます。

中小企業診断士の資格を取得することで、経営における視点で物事を考える力が養われます。特にコンサルティングファームに転職する際には、経営に関する知識を保証するものとして、重要なアピールポイントとなるでしょう。

弁護士

弁護士は、数ある国家資格の中でも最難関であり、法律に関する高度な専門知識を証明します。公認会計士資格とのダブルライセンスで、会計・税務および法律に関する幅広い案件を受けることができます。

現在、公認会計士と弁護士の両方を取得している人は多くいません。ダブルライセンスを取得する難易度は高いため、無理をしてまで両方を取得する必要はないでしょう。基本的には、1つの組織で昇進するよりも、女性公認会計士が独立する際に大いに役立つ資格と言えます。

年収アップを目指す方は、まずご相談ください!

女性公認会計士は、結婚や出産などライフステージの変化の影響を受けやすい傾向があります。キャリアの面で男性より不利になることもありますが、公認会計士は転職先の候補も幅広く、さらには独立の選択肢もあるため、女性でも働きやすい職種と言えます。

年収を上げる方法はさまざまですが、低リスクで最短距離な方法として、働き方や現在の年収に満足していない場合は転職を検討することも一つの手段です。女性公認会計士で転職を考えている方は、転職エージェントを活用するのをオススメします。

Bridge Agentは、ハイクラスの管理部門・士業に特化した転職エージェントサービスです。専門のコンサルタントによるキャリア相談も実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

ブリッジコンサルティンググループ株式会社
執行役員/ヒューマンリソースマネジメント事業部 事業部長 仁木 正太

新卒から15年間、九州屈指の地方銀行で法人向けに、融資新規開拓から深耕営業を中心に従事。その後、急成長ベンチャーにて大手、上場企業の事業部長、役員経験者を対象とした“エグゼクティブ人材”と企業オーナーとのマッチング支援サービスに従事し、海外現地法人社長、子会社社長、ベンチャー企業の取締役CxOなどへの移籍を約50名手掛ける。2020年、ブリッジコンサルティンググループで人材紹介サービス「Bridge Agent」を立ち上げる。パーソルキャリア運営ハイクラス転職サービス『iX転職』にて、2021年に最も活躍したヘッドハンターを表彰する『iX HEADHUNTER AWARD 2021』ハイクラス転職人数部門1位(2,500名中)を受賞。

エグゼクティブコンサルタント 仁木 正太

 

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Bridge Agent編集部

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